Interview with the Ace
水海様@シララの森のティユウラブラブバトゥン☆より生まれた創作文です




 練習から上がったティーダは、ビサイドオーラカが事務所を置く元討伐隊宿舎に向かった。
 雑誌の取材依頼に対する返事を担当者に伝えてもらうためだ。
 事務所とは名ばかりの狭いスペースに座って仕事をしていた男は、端末を叩く手を止めてエースを招き入れた。チーム・オーラカの後方支援を一手に引き受ける有能なこの男は、商才豊かなアルベド人で、シドの飛空挺に乗り組んでいた縁が元でここに居つき、以来この島とルカの間を忙しく往復する日々を送っている。
「じゃ、了承の返事しときますね。迷ってたみたいだから、もしかして断るのかと思ってたんですが」
 言葉遣いは丁寧だが遠慮会釈のない指摘に、ティーダは笑って頭をかいた。
 内容が内容なだけに、考えあぐねているうちに、返答が約束の期限いっぱいになってしまった。
 有名人のプライヴァシーを覗こうという興味本位丸出しの企画ならば即座に蹴り倒すところだが、熱心にかき口説く女性編集者の声が、ずっと心の隅に残って離れないでいた。
「読者さんみんなに、世界一の恋愛をして欲しいんです──」
 それならば、世界一幸せなカップルに、円満の秘訣をインタビューしようじゃないか。そんな提案から始まった企画なのだというスフィア越しの一言が、彼に決断をさせた。
 恋愛にテクニックなどというシロモノを持ち込む女性ファッション誌の論調には、どちらかというとまだ抵抗がある。第一スピラ中の女子が、ユウナの何を真似しようと同じになれるわけがない。
 けれども、幸せという競争や序列とは無縁のフィールドで皆がナンバーワンを目指す発想は、たったひとつの頂点を巡ってブリッツという名の闘争に明け暮れる身にとって、とても新鮮だったのだ。
 それに以前、ユウナがインタビューを受けたときの記事がとてもよくまとまっており、この雑誌に好感を持っていたことも後押しした。
「しかしこれ…」
 如才なく働きながら、敏腕マネージャーがふと首をかしげた。
「ほんとにユウナ様に内緒でいいんですか?」
「大丈夫だって」
 彼の懸念に、エースはあくまで軽く請合った。

*

 インタビューと撮影は、ルカ郊外のカフェを貸し切って行われた。その冒頭で、担当編集者が自誌で行われた投票アンケートの結果をにこやかに語った。
「ティーダさんが堂々の一位でしたよ。おめでとうございます」
 さばさばした口調で続けるインタビュアーに、応じる彼の答えも自然とあっけらかんとしたものになった。

(ここよりティユウラブラブバトゥン☆ スタートです)
1.1日何回触りたい?
(手つなぎも含みます)

「手を繋いだり…スキンシップは多いほうなんですね。一日に何度くらい?」
「うーん、数えたことないッスね…」
「それでは質問を変えますね。ずばり一日何回触りたい?
「そりゃもう何回だろうと、チャンスは全部モノにするッス!」

2.嫌がられたりしてない?

「ユウナ様は嫌がったりしませんか?」
「あー、してるかも(笑)人の目がある時は怒られる。でも本気かどうかはすぐ分かるし、そこら辺の駆け引きを楽しんでるかな」

3.今日は一緒に泳ぐ日。ユウナの水着は何希望かな?

「ビサイドの海は綺麗ですね」
「泳ぐには最高ッスよ」
「ユウナ様と一緒に、泳ぎに行きますか?」
「します」
「ユウナ様の水着、リクエストしたりは?」
「基本、着るものには口を出さないッスね。ユウナの自由だし何着ても似合うから。ただあんまり布が小さいと、他の男の目がちょっと…自慢したい気持ちと、こっち見んなって気持ちのバランス取るのに苦労する(笑)」

4.料理はどっちが作るのが多いの?

「普段、料理の担当は、どちらがしてますか?」
「ユウナですね。クタクタになってうちに帰ると、ご飯のいい匂いがしてるって最高ッス。あ、ユウナが忙しそうにしてる時や休みの日は、オレが作ったりもするけど」
「ティーダさん、料理の腕前すごいって伺ってますよ」
「あ、どうも。…すごいっていうのは、上手いってこと?それとも大雑把って意味で?」
「両方です(笑)」
「あ、そうッスか(笑)」

5.一緒に寝てますか?

「ここからは、ざっくばらんにいきます。寝室は、ご一緒ですか?」
「一緒に寝てます。離れて寝る理由が無いし。正直言えば、四六時中一緒にいたいってのが本音だから」
「遠征の時などは、やはりお互い寂しい思いをしたりも…」
「そりゃね。でも、ブリッツで結果を出すためには我慢も必要だし、それは大事な人のためでもある。そこんところはユウナも分かってくれてるし、どんなカップルでも同じじゃないのかな」
「あ、今のいい表情ですね。カメラマンさん、撮れました?」
「(ばっちりです)」
「あはは。油断も隙もないッスね」

6.たまには相手にどうされたい?

「ずばり、たまには相手にどうされたいですか?」
「ほんとにずばりッスね(笑)」
「ざっくばらんにいきますから(笑)」
「んー、見ての通りっつーか、あ、最近のカッコはアグレッシブだけど根はおしとやかなんで、時々は積極的にというか、はっちゃけてくれたら嬉しいな」
「例えばどんな時に?」
「それはご想像にお任せするってことで」

7.相手のどういうしぐさが好き?

「ユウナ様の、どんなしぐさに魅かれますか?」
「全部!といいたいところだけど、あえて言うなら、髪をかき上げるしぐさとか。ユウナって手先が器用でいつも何か作ったりしてるんだけど、夢中になって作業してるときの手つきにドキドキする。あと…言い始めたら止まらなくなりそうだから、この辺で」

8.愛されてるな〜って感じる時ってどんな時?

「それでは、どんな時に愛されてるな〜っ感じますか?」
「いつも!って言いたいところなんだけど、それじゃ記事にならないッスね(笑)うちに帰ったときの「お帰り」って声の優しさや、あったかいご飯や、あと目が合った時に微笑んでくれる瞬間とか、そういう小さいことがたくさん積み重なってるのが、すごく嬉しいし、多分すごく大事なんだと思う」
「特別なことじゃなく、何気なく積み重ねるひとつひとつが大切ですね」

9.相手のどういうところが嫌い?

「少し意地悪な質問ですが、お相手に嫌いだとか不満だとかっていう点はありますか?」
「ぇ!?。…………、ううーん………………………………、思いつかないからパスしていい?」
「好きだからこそ、こうして欲しいといった我がままを敢えて聞きたいのですが」
「敢えて、つってもなー。んー、優しすぎて自分のことをすぐ後回しにする癖があるから、オレにはもっと図々しくなって欲しい…かな。ほら、頼られたらさ、嬉しいし」

10.最後に愛の告白を相手にしてください

「ありがとうございました。では、最後にここでユウナ様に向けて愛の告白をどうぞ」
「いいッスよ。ユウナ、見てる?オレはずっとユウナのガードだからな!」
「苦難を乗り越えてきたお二人ならではですね。それにしても、意外とあっさり披露してもらえて、嬉しいですが少し驚きました」
「これはもちろんプレス向け。二人っきりの時のとっておきは、内緒ッス(笑)」
「えー、そちらは教えてもらえないんですか」
「それはユウナだけのものだから。そのまんま真似するヤローに楽させても癪だしね。大事なことは、頭抱えて考えて、自分の言葉で言わなくちゃ」
「なるほど、そうですよね。ティーダさん、今日は長時間お疲れ様でした。ありがとうございました。
「こっちこそ楽しかった。いい記事になるのを期待してます」

*

「やだこれ…」 
 届いた雑誌を手にしたユウナが、耳まで真っ赤になって絶句したのは言うまでもない。
 インタビューを受けたのはティーダだが、そこで赤裸々に語られていたのはユウナのことばかりだったからだ。
 恨みがましい視線を向けられるのは予想していたから、当の本人は涼しい顔だ。
 恥ずかしがり屋の恋人は、事前に伺いをたてればきっと承諾しなかった。
 怒った顔さえ愛しくて仕方ない。彼女を抱き寄せ、今しも糾弾のために開かれようとしていた唇を自らのそれで塞いだ。
「オレを抱かれたい男ナンバーワンに選ぶのは読者の自由だけど、オレが抱きたいのはユウナだけッスよ」
 まだ頬を染めたまま、膝の上でそっぽを向いている可愛らしいひとに、彼は極上の笑顔で囁きかけた。



[続…きません]
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水海さんよりティユウラブラブバトゥン☆なるものをいただきまして。
本家水海さんちを始め、あちこちで萌え禿げるティユウトークを堪能したのですが、わが身を振り返って、うちの答えってばつまんないぞってにわかに焦りまして、ちょっと趣向を変えてみました。(笑)

実は、このバトンは二人にお互いのことを答えさせるのですが、脳内会議の結果、うちのユウナさんからは出演依頼に色よい返事をもらえませんでした。ルールガン無視でごめんなさい><
とりまティーダさんに最後の一言を言わせられて満足です(笑)
蓋キス常習犯だよこの男、しかし公式からしてそうなので気にしない!←

すみませんが、これにてアンカーということで、バトンはここにそっと置かせてください。でもティユウの会話を想像すると、もれなくニヤニヤできるので、面白そう!と思った方はぜひぜひ答えてみてください。そして答えを見せてくれるといいよ←

以下、質問文です

☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆

ティユウラブラブバトゥン☆

1.1日何回触りたい?
(手つなぎも含みます)

2.嫌がられたりしてない?

3.今日は一緒に泳ぐ日。ユウナの水着は何希望かな?

4.料理はどっちが作るのが多いの?

5.一緒に寝てますか?

6.たまには相手にどうされたい?

7.相手のどういうしぐさが好き?

8.愛されてるな〜って感じる時ってどんな時?

9.相手のどういうところが嫌い?

10.最後に愛の告白を相手にしてください

11.ではこのバトンを回したい人指名してください

☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆’*:’゜☆




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